上司から、友達から、家族から、そしてSNSで知らない人からも。世間に増大しつづける《ダメ出し》で、社会がどんどん窮屈になってきていると感じることはありませんか?コピーライターであり「世界ゆるスポーツ協会」の代表理事でもある澤田智洋さんは、意図的に相手をホメる《ホメ出し》の言葉の力で、《ダメ出し》が蔓延する「呪いの時代」から「祝いの時代へ」変えていけると呼びかけます。
では、具体的にどうやって《ホメ出し》をすればよいのでしょうか?相手をホメるためには、「相手の魅力の第一発見者になる」ことが大切なのだそうで――
では、具体的にどうやって《ホメ出し》をすればよいのでしょうか?相手をホメるためには、「相手の魅力の第一発見者になる」ことが大切なのだそうで――
魅力の第一発見者になる極意1『脇に置く』
ここから、どうやったら魅力の第一発見者になれるかの極意をいくつかお伝えします。ポイントは、脇に置く、聴き出す、外れ値を見つける。この3つです。
まずやるべきは、観察範囲の一部を狭めることです。具体的に言います。これまでに相手が多くホメられてきたであろうポイントは、一旦脇に置いておきましょう。
例えば資料作成が早い男性であれば「もう資料できたんですか!?信じられない」「驚きのスピードですね!」と繰り返し言われてきています。機転がきく人であれば「機転がききますね!」と何百回も言われているでしょう。
だからこそ、あえて相手にとっての「ベタなホメポイント」はサクサク外していきます。再発見系ではなく、新発見だけを狙いにいきます。相手の浅瀬部分をサッと通り抜け、どんどん深海へと潜っていくのです。
ベタなポイントはスルーする、と決めて観察をしていくと、実に多くの発見を得ることができます。オシャレさにばかり気を取られていた仕事仲間の、資料をそろえるときの美しい所作に気づくかもしれないし、いつだって理路整然としている上司の何気ない瞬間に見せる少年のような笑顔にハッとするかもしれません。
相手の新しい一面が、次々と目に飛び込んできます。これは、相手へのバイアスを外し、もう一度相手と出会い直すための工夫なんです。
相手を観察しながら、言葉を集めていく。けれどその中でベタなポイントは一旦脇に置いておいて、ホメ出しの候補からは戦略的に外していく。そんな工夫から、新発見系のホメ出しは生まれます。