「鮮魚の姿蒸しセット」2200円。鮮魚は豊洲市場直送(写真は赤めばる)。月替わりの例湯「青大根と豚脛肉の多種薬膳入り炊き込みスープ」が付く。プラス300円で左上の転身も注文可。写真は、スルメイカと海老の蒸し餃子と瓜と春雨と干し海老の蒸し餃子

 

避風塘料理の名店。香港庶民の味がさらに充実

銀座でランチをという時に、リストに入れておきたい一軒が、ここ「喜記」だ。

2017年に避風塘(フェイフォントン)料理で有名な香港本店の日本初出店としてオープンした同店が、今年1月26日に移転。

テイクアウトには、ぜひ名物の避風塘料理を。避風塘料理とは、銅鑼湾や香港仔の船上生活者が食べていた海鮮料理の一つで、写真は一番人気の「大海老のチリガーリック炒め」3000円。揚げた有頭海老を覆うふりかけ状のものは、刻みニンニクやパン粉、唐辛子、トウチを合わせている。他の料理もほぼ持ち帰れる

これを機に料理長もメニューも一新。名物の避風塘料理はそのままに、焼味や点心など香港庶民の味をより充実させた。

「香港のグローバルな料理を出していきたい」と意欲を燃やす新任の山崎浩一シェフは、「赤坂璃宮」等で修業。香港にも足を運び研鑽を積んだベテランだ。

ランチでも、「香港特製醤油焼きそば」や「チャーシューと蒸し鶏のせご飯」など香港ラバー垂涎の味が1400円から豊富に揃う。

香港本店の日本初出店となった銀座の喜記

お薦めは限定5食の「鮮魚の姿蒸しセット」で、味の要は蒸し加減。中心に火が入るか入らないかのタイミングが大切とか。余熱で火を通すのが旨さの秘訣だ。

仕上げに熱々のピーナッツ油と魚ダレをかけるのが香港スタイル。魚ダレが染みた身はしっとりと舌に馴染み白飯が欲しくなること請け合い。また、例湯(ライトン)も山崎シェフのこだわりの一つで、薬膳的要素も加味した優しい味だ。