小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。11月6日の放送回では、決意を新たにした源実朝は後鳥羽上皇を手本とし、人任せにせず自ら裁定を下すことを決意。一方、鎌倉内での地位を盤石なものとした義時は執権を名乗ることを決断。未熟な実朝らをけん制し…………といった内容が展開しました。
一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第13回は「『鎌倉殿の13人』に登場する女性たち」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
『鎌倉殿の13人』の女性たちについて
前回、鈴木京香さん演じる丹後局が久しぶりに登場。出家した姿で政子に「覚悟を決めなさい」と発破をかけるなど、変わらぬ存在感をみせていました。
一方、北条時政失脚の要因となった牧の方(りく)のその後の消息が、伊豆に流された時政自身の口から語られました。
今回の『鎌倉殿の13人』ではストーリーに対して女性たちの影響が強く、またキーパーソンになっている場面も多くみられます。そこで今回は、京都を中心に、ドラマに登場している女性たちについてまとめてみましょう。
なお、以前に女子大で授業をもっていたとき、日本中世史は嫌い、という生徒に「なぜ?」と尋ねたことがあります。彼女の答えは「だって北条政子と、応仁の乱の日野富子しか女性が出てきませんから。感情移入できません」というものでした。なるほど。
たしかに日本史は男性にばかりフォーカスしすぎているのかもしれないな、という反省を込めて。