現役世代がぶつかりがちな親の介護問題。総務省の『平成29年度就業構造基本調査』によると、「介護・看護のため過去1年間に前職を離職した人」の数は2017年時点で約9万9,100人と、1年に10万人規模の介護離職者数が発生しています。一方「親と距離を取るから介護はうまくいく」と主張するのがNPO法人となりのかいご代表・川内潤さんです。「介護が必要な遠方で暮らす母親を、東京に呼び寄せるか迷っている」という編集者・Y(山中)さんに対し、川内さんからのアドバイスとは?
めっちゃ単純、かつ効果抜群の解決策とは
Y(以下――) 親が衰えていくことについて、子ども、特に息子は非常にストレスを感じることはよく分かりました。分かっちゃいても、だらしない親を見ると気持ちは波立つ。この対策ってあるんでしょうか。
川内 簡単です。親に会うと衰えが見えて、つらくなって、怒りを覚えるわけですよね。
―― はい。
川内 だとすれば、会わなければいい。そう思いませんか?
―― はい?
川内 会ってイライラしたり、当たったりするくらいなら、親に会いに行かなければいい。
―― これって、とんちですか。
川内 もちろん違います。真剣にお答えしています。介護相談でもまったく同じ流れで「そんなにつらいなら、会いに行く回数をしんどくないところまで減らせばいいじゃないですか」とアドバイスするんですけれど、みなさん、Yさんと同じように「は?」って顔をされますね。
―― いやあ、そりゃ、そうできればそうしたいけれど、そうもいかないのでは。
川内 なぜでしょう。