イラスト:小林マキ
年齢とともに、脂っこいものを受けつけなくなったり、お酒に弱くなったり……。とはいえ、お正月ぐらいおいしいものを堪能したいところ。そこで胃をいたわりつつ、ごちそうも楽しむコツをアドバイスしてもらいました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

胃の働きは運動不足で低下する

コロナ対策が緩和されたこの年末年始は、久しぶりに家族や友人・知人と集まり、おいしいものを食べたり飲んだりして過ごそうと計画している人も多いことでしょう。

「例年、年末年始は暴飲暴食が続いて胃もたれや胸やけを起こす人が増えますが、この冬はいつも以上に注意が必要です」と警鐘を鳴らすのは、聖マリアンナ医科大学教授の前畑忠輝先生です。

その原因として、コロナ禍での運動不足による基礎代謝の低下をあげます。

「胃は基礎代謝で生まれたエネルギーを使って動いており、食べ物が入ってくると胃液を分泌し、蠕動(ぜんどう)運動で食べ物をかゆ状に溶かして十二指腸に送り出します。ところが、コロナ禍で外出機会が減り、運動量が落ちているうえに、寒さで室内にこもりがちとなるこの季節は、基礎代謝が低下するため、胃の働きがいつも以上に落ちてしまうのです」(前畑先生。以下同)