出典:『なんとなく疲れる・つらい・痛いを解消する「ツボ」図鑑-自律神経ひとりメンテ』(監修:柳本 真弓 /中央公論新社)
コロナ禍における制限、SNSなど過剰な情報の氾濫、異常気象…と、心身に多大なストレスがかかる状況が続いています。目白鍼灸院院長の柳本真弓先生は、「それらが自律神経に影響を及ぼした結果として、体調不良を訴える人も増えてる」といいます。同じようなストレスでも、人によって影響の出る部分は違うので、セルフケアで自身の不調パターンを知ることが大切とのことで――。

陰陽のバランスは自律神経に似ている?

自律神経が持続的にバランスを崩すと不調になるという考え方。これは、東洋医学でいうところの「陰陽」のバランスに似ています。

東洋医学の「陽」とは「外に発散、明るい、躍動、上に昇る、エネルギーが多い、熱くなる」という外向きなイメージ。一方の「陰」は「内に凝集、重い、暗い、下に降りる、エネルギーが少ない、冷たくなる」という内向きなイメージです。

これらの特徴を捉えると、交感神経が陽、副交感神経が陰と考えることもできます。

カラダの内外の影響で変化する自律神経の働きと同様に、陰陽のバランスも常に変化するもの。常に2つが働きながら、両者がゼロにはならず、バランスをとりつつ、宇宙にも、自然にも、人体にも作用しています。

例えば、自然環境。天候が猛暑という陽の反応を示せば、人体は疲労という陰の反応を示します。過剰に喜びを感じていたところから心が急に落ち込んでしまうのも陽と陰。

また、カラダに関しては体内の働きはもちろん、パーツなどでも陰陽の考えが用いられています。心身のすべてが陰陽のバランスで成り立っているというわけです。