放送作家・コラムニストとして、数多くの著名人にインタビューし、コメンテーターとして活躍している山田美保子さん。小さいころは引っ込み思案で話すことも苦手だったそう。そんな山田さんを変えたのは何だったのか。さまざまな出会いや、出会った人のアドバイスを通じて、今の自分があるという山田さんが、自分が楽になるコミュニケーション術を紹介する連載。第27回は「バレンタインの義理チョコ配りについて」です。
義理チョコ配りやる人、やらない人
「で、君は、こういうの、やらないんだね」
とは、ある年のバレンタインデーのこと。大先輩の男性放送作家が、某番組の会議で隣に座っているベテラン女性放送作家に対して発した言葉です。
なので《君》は私ではありません。では私は会議前、何をしていたかというと、出席していた約30名の男性スタッフ全員にチョコを配っていたのです。
《君》は、その様子に何かリアクションをするわけでもなく、「やらないんだね」と聞いてきた先輩男性放送作家に対しても、表情を変えることもなく「うん、やらない」と一言。
いいとか悪いとかではなく、あぁ、やらない人は、それがフツーのことになっていて、私のように、やる人は、それが当たり前のことになっているのだと気づきました。