俳優の前田吟さんが再婚しました。お相手の箱崎幸子さんは、歌手だった夫・箱崎晋一郎さんの遺志を継いで自らも歌手デビューしたという経歴の持ち主。それぞれに人生の第一幕を終えたふたりが、出会って半年で結婚した胸の内を明かします(構成=丸山あかね 撮影=宮崎貢司)
ある日、突然何かに導かれるように
吟 僕らの結婚がこんなに騒がれるとは思わなかった。取材のお話が次々に来るなんて。(笑)
幸子 私の周囲の人たちもビックリしていました。報道を見て、「ホントなの?」ってジャンジャン電話がかかってきて。婚姻届を出すまで、吟さんとのことは子どもたち以外の誰にも話していなかったから。
吟 どうして?
幸子 だって、この歳になって恋愛をしたと騒ぐのは大人げないでしょう? それに、まだどうなるかわからないって、ずっと思っていたから。娘も最初は言ってました。前田吟さんはイメージのいい俳優さんだけど、実際はプレイボーイなんじゃない? お母さんはからかわれているだけよ、って。
吟 ワハハ。急展開だったからねぇ。
幸子 初めて出会ったのは2022年の1月でしたね。
吟 僕は2021年の8月に前の女房が死んで喪に服していたんだけど、年が明けてそろそろ気分転換に飲みに行ってみようと街へ出た。ところが成人の日で、どこの店もやってなくてね。でも道で君とすれ違って、あ、この人について行けば営業している店にたどり着けるかも、とピンときたんだ。
幸子 いい勘でしたね。しかも店のオーナーが昔の役者仲間だったなんて、すごい偶然。
吟 満員だったけど席を作ってもらって、誰が歌ってるのかな? と思ったら君だった。
幸子 私もオーナーと知り合いで、店に来て歌ってほしいと言っていただいていたの。一日だけ出演したのが、たまたまあの日だったんです。
吟 何かのお導きだね。オーナーが紹介してくれた時、君が「奥様は福島のいわき市のご出身でしたよね? 私もなんです」と言うのを聞いて奇遇だなと、あれも印象的だった。でも、しばらくは会ったことさえ忘れてたんだよ。