スマホをあえて家に置いたまま旅へ出たふかわさん。今あらためてその旅を振り返って感じていることとは?(写真:本社写真部)
今や情報の収集・発信に不可欠な存在となったスマートフォン。総務省「通信利用動向調査」によれば、2020年時点での個人保有率はおよそ7割となっています。一方、番組MCやコメンテーターとして活躍しているふかわりょうさんは、そんなスマホをあえて家に置いたまま、岐阜県美濃へ3泊4日の旅に出たそうです。その顛末を新刊『スマホを置いて旅したら』にまとめたふかわさんが、旅の最中に遭遇した思わぬ出来事とは? そして今”スマホ無しの旅”を振り返ってみて、あらためて感じていることとは――。(構成:内山靖子/写真:中央公論新社写真部)

冒険に近い不安や高揚感を得て

実際に“スマホなしの旅”に出てみると、やっぱり緊張感があると言いますか。冒険って言うと大げさですけど、それに近い不安や高揚感がありました。

新幹線で名古屋駅に着いたのはいいけれど、台風の影響で名古屋発の在来線はすべて運休。ここから美濃行きの列車に乗り換えるはずだったのに……。

スマホを持っていれば、運行再開までの状況や振り替え路線などもすぐに検索できたのでしょうが、スマホなしではどうしようもない。

駅員さんや周りの人にあれこれ尋ね、バスを利用した美濃までのルートを発見しました。

些細なことでしたけど、そうした些細な努力が報われることが僕はそもそも好きですし、それこそ旅の醍醐味だと思います。

周囲の人たちとのコミュニケーションのおかげで、無事に美濃に到着できたときの喜びはひとしおでした。