和田さんいわく「血糖値は、高いよりも低いほうがよほど怖い」そうですが――(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が発表した「簡易生命表(令和3年)」によると男性の平均寿命は81.47年、女性の平均寿命は87.57年(2022年度)といずれも40年前から9歳程度伸び、80代となりました。一方「なぜ人は80歳を境にガクッと衰えるのか、あらためて考えてみた」と語るのは、老年医学を専門とする精神科医・和田秀樹さんです。和田さんいわく「血糖値は、高いよりも低いほうがよほど怖い」そうですが――。

歩いて血糖値をコントロールする

私は3年前、やたらにのどが渇くので、検査を受けることにしました。

すると、血糖値が660mg/dlにも達していたのです。

むろん、重症「糖尿病」の域です。

医者には、インシュリン注射による治療をすすめられましたが、私の場合、「2型糖尿病」だったため、断ることにしました。

糖尿病には2つの種類があり、「1型糖尿病」はインシュリンが分泌されなくなるため、インシュリン注射が必要になります。

一方、「2型糖尿病」は、インシュリンを受け止めるレセプター(受容体)の故障が原因なので、インシュリン注射以外の治療法もあるのです。

結論から申し上げると、その後、私は、もっぱら「歩く」ことによって、血糖値をコントロールしています。

それまで、まったく運動をしていなかったためか、毎日30分ほど歩くことにしたところ、血糖値を200~300前後でコントロールできるようになったのです。

「正常値」とされる数字までは下がっていませんが、それでも、のどは渇かなくなり、さほどの支障は感じていません。