ストレス過多な社会、食生活の欧米化といった時代の変化によって、日本人の「腸の動き」は一昔前より悪くなっていることをご存じですか。最近の医学の進歩で、腸の役割は多岐にわたるということがわかってきました。「私たちの健康の9割は、腸が司っている」と語るのは、消化器専門医の川本徹さん。その川本さんいわく「『腸活』をするならぜん動運動のことも気にかけた方がよい」そうで――。
ウンチは「食物繊維+腸内細菌の死骸」でできている
「食べて出す」のメカニズムの中で、最後に来るのが「出す」、つまり排便です。
そこまでの間に栄養素はちゃんと吸収できていても、最後の「出す」がうまくいかないと、健康な体とは言えません。
改めて便について基本的なことを振り返っておきましょう。
まず、便を作って出す働きをしているのは、小腸に続く器官、大腸ですね。
大腸はお腹の右下あたりから始まり、おへそを中心に大きなクエスチョンマークを描くような形で通っています。
だいたい1.5〜2メートルくらいの長さがあります。
大腸の中でどうやって便が作られていくのかというと、ここまでの間に吸収されなかった食物繊維と水分、そして私たちの腸内で働いてくれている腸内細菌の死骸が、徐々にくっついて固まり便になっていくのです。