「読書芸人」として知られるヒコロヒーさんが『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で紹介した『宇宙人と出会う前に読む本』。タイトルの通り、「宇宙人と出会った際にわたしたちはどう振る舞うべきか」を筑波大学研究員・高水裕一さんが説いた内容が大きな話題となっています。同書によれば、宇宙人とやりとりをするうえでは『化学』の知識を身につけておくことが大切だそうで――。
「もの」はすべて元素の組み合わせに過ぎない
地球では雑草であろうとヒトであろうと、ビルであろうと飛行機であろうと、「もの」と呼ばれるものは分解していけば、すべて元素の組み合わせに過ぎないことはご存じと思います。
生物と無生物の違いなどを気にしなければ、みんな「兄弟」のようなものともいえます。しかし宇宙に目を向けると、「兄弟」というのはただの比喩以上に、もっともな言い方である気がします。
すべての元素は宇宙で生成され、それらが集まったり組み合わせを変えたりすることで、見た目はまったく異なるすべてのものが形成されるのです。
元素が生成される過程にさかのぼると、いまは宇宙のはるか遠くに離れている宇宙人の身体も、その惑星も、私たちの身体と変わらなくなってしまうということです。
ではここで、宇宙で元素がつくられてきた過程を、ごくおおざっぱに、ビデオを早回しして見るようなイメージで振り返ってみます。
宇宙がどのようにして始まったかは、重要なテーマになりますが、ここでは、みなさんにもおなじみのビッグバンから始まったことにして、話を進めます。