ジャイアンツOBの4人が決める「日本プロ野球史上最高の投手」とは?写真は若かりし日の定岡正二さん(写真:『昭和ドロップ!』より)
WBCが大盛り上がりし、再び注目が集まっている野球界。現在、プロ野球はレギュラーシーズン真っ只中です。週刊誌『週刊ベースボール』で2020年から連載している『昭和ドロップ!』では、昭和に生まれ、昭和に育った元野球選手が令和の今、荒々しくも華やかだった昭和のプロ野球を愛あり笑いありで語り尽くしています。今回は定岡正二さん、篠塚和典さん、川口和久さん、槙原寛己さんが登場。ジャイアンツOBの4人が決める「日本プロ野球史上最高の投手」とは?

歴代最高の投手

──皆さんに歴代最高の投手を選んでいただきたいのですが。

定岡 僕らなりの基準でいいんですよね。あまり昔の選手になると分からないので。

──もちろんです。

篠塚 俺は江川卓さん(元巨人)にする。

槙原 江川さんも旬ですよね。僕もやってますけど、最近、プロ野球OBが次々とYouTubeを始めているじゃないですか。その中で、いろいろな人が江川さんがいかにすごかったかの話をしているんですよ。この2、3年で江川さんの評価が一段と上がっている気がします。

川口 今はG+やYouTubeで江川さんの全盛期のピッチングを見ることができるしね。特に1981年(巨人の日本一イヤーで、江川さんはシーズンMVP)は、映像のスピードガンの表示は140キロ台だけど、とてもそうは思えない。確かに代名詞の手抜きっぽい球はあるにせよ(笑)、ここぞのときは150キロ台後半は間違いないと思う。何より球質だね。ボールが浮かび上がるように見える。でも、プロより、高校時代(作新学院高)のほうが速かったっていう伝説はほんとかな。

槙原 そう言っている人は多いですよね。甲子園で対戦した達川光男さん(広島商高─東洋大─広島)も絶賛していました。すごかったらしいです。

篠塚 僕も銚子商高時代に対戦しているけど、速かったよ。初対決はヒットだったけどね(篠塚さんが2学年下)。

定岡 さすがシノだ! オリックスの話をしていたら、ラオウ(オリックスの杉本裕太郎)を青学大時代に教えたとか、村田兆治さん(元ロッテ)が亡くなったら、最後の野球教室を一緒にやっていたとか、どんな話題を振っても、必ず接点があるんだよな。