日々物価が高騰するなか、支給額が変わらない年金に、経済的な不安を感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そんななか、月5万円の年金で楽しく生活しているのは、72歳ブロガーの紫苑さん。「頭のなかは焦りと不安でいっぱいだった」と語る紫苑さんが、年金5万円生活のなかで気づいたお金との向き合いかたとは。その紫苑さん「築40年、10坪あまり、人生で初めて小さな家を持つことになりました」と言いますが――。
築40年の中古一軒家を購入
今住んでいる家は、前に住んでいた公団の近く、散歩の途中でたまたま見つけた物件です。
私の住んでいる地域は、一応東京23区内ですが、放置されている空き家も多く、少し広い土地は次々とマンションに建て替えられています。
買ったのは、そんな住宅地にある小さなおうちです。
買った当時は築40年、2016年の春でした。あれから7年、築47年ものになりましたが、特に傷みはなく今のところ何ごともなく、無事に暮らしています。
買ったときは65歳、シニアの終(つい)の住まいはマンションが便利とはよく耳にします。
買った当時はそんな知識もなく、またマンションの管理費、修繕積立金を払える年金額ではないので、当然の選択として一軒家になりました。
年金額の少なさと、毎月払う家賃で貯金がどんどん減っていく不安に押しつぶされそうになっていた頃、偶然目の前に現れた小さな一軒家です。
興味を持ったものの、近くに行き値段を見るととても買えない金額、3200万円くらいでした。
この土地に、この坪数でこの値段は高いのか、安いのか、そんなことさえ判断はつきません。
チラシを見ると、リフォーム済みとあり、床を板張りに、台所やお風呂、トイレの写真が。
坪数も書いてありましたが、どのくらいの広さ、あるいは狭さなのか、こちらも見当もつきませんでした。
気になり、散歩のたびに見るようになりました。その家を見るために散歩の回数が増えたくらいです。