写真提供◎青木さん 以下すべて
青木さやかさんの連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」――。青木さんが、50歳の今だからこそ綴れるエッセイは、母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、初めてがんに罹患していたことを明かしたエッセイ「突然のがん告知。1人で受け止めた私が、入院前に片づけた6つのこと」が話題になりました。
今回は「中学2年生の娘の母として」です。

前回「有名人だったら、いろいろ書かれるのは当たり前?ネットの書き込み、胸が痛むものもある。だからわたしは一生、悪口は言わない」はこちら

毎朝わたしはゲンナリする

娘と2人暮らしをはじめて10年経った。今や娘は中学2年生になり、自分で目覚ましをかけて6時に起き、「お弁当作って」とわたしを起こす。わたしは「今日はこれで勘弁してください」と昼食代の500円を渡す日も度々あるが、娘は「いいよ、じゃあ寝てて」と言いながら学校へ行く準備をし、こてを使って髪を巻き、「いってきます」と玄関を出ていく。そんな時の娘は、一体どこの子なの?と二度見するほど可愛くて、いつのまにか優しい子になってくれたものだと驚く。

娘が家を出てしばらくすると、わたしは汗だくでベッドから起き上がる。7月のはじめ、まだエアコンは使わないで頑張っている。汗だくのパジャマのまま、部屋の掃除をするのが日課である。「シティ!クティ!」とネコの名前を呼ぶが、近くにいない。5畳の娘の部屋を覗くと、シングルベッドの上でネコが2匹でくっつきながら丸まって寝ている。

毎朝の、この光景に、わたしはゲンナリする。

エアコンはつけっぱなし、7月だと言うのにネコも丸まりたいほど冷えている。洋服は山積み、カーテンはしまってる、電気がついている、スマホ充電のコンセントは差しっぱなし、プリントも床にぐちゃぐちゃに置いてあり、その上に男梅グミが乗っている。

差しっぱなしのコンセント、こういうのが嫌なのだ