シンプルで美味しい家庭料理が人気の料理研究家・コウケンテツさん。ユーチューブ公式チャンネルは登録者数180万人を突破し、3児の父として食育を広げる活動にも力を入れています。そんなコウさんが、NHK番組『コウケンテツの日本100年ゴハン紀行』で実際に勝浦を訪れ、土地の魅力や美味しい食材を探索した様子を紹介します。
夜明けの海でキンメダイを釣る
午前2時半、コウさんは勝浦川津漁港にやってきました。
乗るのは、15年以上一緒に漁をしてきた船頭の渡辺優さんと父親の清志さん親子の船。狙うは、千葉県が水揚げ量全国1位(2019年)の高級魚キンメダイです。
特に3月から5月にかけては、脂がのって最も美味しい時期。日本のキンメ漁の北限といわれる勝浦沖には、低い水温下で脂を蓄えたキンメが集まり、そこを目指して船が繰り出していくのです。
船の操縦や漁場ポイントの見定めは、優さんがすべて担っています。釣りの仕掛けを落とすタイミングを決めるのも船頭の仕事。判断を誤れば1匹も釣れないこともあります。
午前3時に出港した船は空が白みはじめる頃、ようやく漁場へ。仕掛けを放ち、すべてを引き上げる頃にはすっかり明るくなっていました。この日に獲れたキンメは1時間で40キロほど。まずまずの収獲です。
港に戻ったのは出港から5時間後の8時。出荷されたキンメはすぐに選別され、東京の豊洲市場などに送られます。