「職場の上司と性格が合わなくてつらい」「恋愛がうまく行かず苦しい」など、思い通りにならないことや、さまざまな人間関係に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。佛心宗大叢山福厳寺住職の大愚元勝さんは、仏教の思考法に基づいて、自分の心との向き合い方や負の感情の手放し方を伝えています。大愚和尚いわく「『自分の壁』を超えられれば、すべての悩みを手放せる」のだそうで――。
「自分の壁」を超えられれば、すべての悩みを手放せる
私たちはいったい、いつから悩み、苦しんでいるのか。
「大人になるにつれて社会の理不尽さを感じるようになったから?」
いいえ、もっと早い段階から苦しみに向き合っているはずです。
私が思うところでは4歳、早い子の場合は3歳くらいでしょうか。
これは福厳寺の境内にある幼稚園の子どもたちを見ていても感じます。かなり小さいうちから、いろいろなことに対して「なんで?」という疑問を持ちますし、言葉を話せるようになることで、なにかしらの悩みや苦しみを持ち始めます。
人生は生まれてから死ぬまで苦しみの連続です。それこそ、苦悩は一生付き合っていかなければいけない相手なのです。
なにか嫌なことがあれば「あいつが悪い!」「社会が悪い!」「**のせい!」と嘆いてしまうのも無理はないでしょう。
でも、苦しみから少しでも解放されたいのであれば、ほかのもののせいにしているだけではいけません。
「なぜ、私たちには苦しみが生まれるのか」
本気で苦しみを手放したければ、苦しみについて真剣に考えなければいけない―そこに人生をかけて挑んだのがブッダなのです。