人生100年時代、平均寿命も毎年上がり続けるなか、老後資金の枯渇問題、健康や認知症といった老いへの恐怖など、不安を抱えている方は老若男女問わず、多くいらっしゃることでしょう。そんななか、老年医学を専門とする精神科医・和田秀樹先生は、自身の体験をもとに、65歳を過ぎても幸せが続く鉄則を発信しています。和田先生「お金を使うことに頭を使わないと脳の老化につながる」そうで――。
お金を使って幸せになる経験を開拓する
年を重ねれば重ねるほど、お金をもっている人よりもお金を使っている人に、人が寄ってくるようになります。資産1000億円をもっていても、ケチなお金持ちには人は寄ってはきません。
わたしは映画をつくっているので、制作資金を援助してくれるかもしれない資産家を紹介されることがよくありますが、ケチだなと思った人とは二度と会いたくないなと思ってしまいます。
お金を使うから人が寄ってくるのであって、お金をもっているから人が寄ってくるのではないのです。もしお金をもっているだけの人に寄ってくる人がいたら、その人は詐欺師だと思ったほうがいいのではないでしょうか。
お金持ちだけれど、孫にお年玉を1000円しかくれないおじいちゃんと、貧乏だけどなけなしの1万円をくれるおばあちゃんだったら、 孫はどちらに寄っていくかはわかりきったことですよね。
ケチだなと疎まれるよりも、孫に感謝されて一緒に楽しい時間を共有したほうがよっぽど幸せです。
わたし自身が実践していますが、いまの高齢者たちにもぜひ挑戦していただきたいのは、そのようにしてお金を使うことで幸せになる経験を開拓することです。