お金を使って世の中を変える

身近なところで考えても、NHKや民放のテレビ番組がつまらないなと思えば、AmazonプライムやNetflixなどの有料動画配信サービスに加入して、自分が本当に好きな映画やドラマを鑑賞するなど、そういう有意義なことにお金を使えばいいのです。

これまで民放の無料放送ばかり見てきた人にはテレビを見ることにお金を払うのは抵抗があるかもしれませんが、月額500〜2000円ほどの会費を払うだけで、いつでもどこでも会員対象の映画やテレビ番組が追加料金なしで好きなだけ見ることができるのです。

子育てが終わって夫婦ふたりっきりの生活なら、週に一度は1人1万円ぐらいの食事をしようなど、ちょっとした贅沢をしてもいいと思います。

そういった身近なところであっても、幸せを感じることがメンタルヘルスにも免疫力を養うのにもいいですし、それが長生きや若返りなど、すべてがいい方向へとつながっていくわけです。

現実的には難しいと思うこともあるでしょうが、どんな小さいことでもまずは始めてみることが大切です。

やはり、高齢者がお金を使ってくれるところを見せないかぎりは、高齢者を消費者として見ることはなく、世の中は変わっていかない気がします。

少なくともわたしは大いに実践していますし、今後も好きなこと、好きなものにお金を使い続けていきます。

※本稿は、『わたしの100歳地図』(主婦の友社)の一部を再編集したものです。


わたしの100歳地図』(著:和田秀樹/主婦の友社)

30年以上の長きにわたり、高齢者医療に携わってきた医師でありベストセラー作家でもある和田秀樹が、初めて自身の人生を振り返り、そして、これからの人生を語る和田自身の人生100歳時代の設計図。ひとたび読めば、老後の不安がみるみるうちに消えていき、人生を幸せで豊かにしてくれるゴールデンシニア待望の福音の書である。