時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは北海道の60代の方からのお便り。子どもが社会人になり、周りの人から「外に出ないと!」と言われることに辟易していましたが――。
新しい輪に入ったら
自営業で酪農をしていて、基本的には自宅と目の前の牛舎との行き来で一日を過ごしている。昔から手作りの食事やおやつにこだわり、子ども中心の生活。好きなパン作りやお菓子作り、本や新聞を読むことを楽しみに生きてきた。
子どもが社会人になってから、周りの人に「外に出ないと!」としょっちゅう言われる。食料品は生協で頼んでいるのでスーパーに出かけることも少ないが、たまにちょっとした用事で外へ出ると知人に遭遇する。
「痩せたね、大丈夫?」「仕事できてるの?」「外に出ないとダメだよー」などと、いつも同じような話が何分も続くのだ。早く切り上げて帰りたいと思いつつ、とりあえず聞いているが……。友人ならいざ知らず、なぜ生き方を否定されなくてはならないのか?
しかし最近、今まで出会えなかった人たちの輪に参加させてもらう機会があった。私より何歳も若いのに、考え方もしっかりしていてとても刺激になる。新しい趣味や人との交流にはかなり勇気が必要だったが、こんな素敵な人たちがいるんだ! と希望が湧く。
そういう人たちは嫌な話をしてくることもなく、ウェルカムで私を迎えてくれる。これからが楽しみだ。