「遺影は、結婚式で着られなかったウエディングドレスを50代のときに着て撮った写真。出棺の音楽はベイ・シティ・ローラーズの「サタデー・ナイト」! これほど葬儀に似合わない曲もないし、一瞬かけ間違いかと思った人もいたかもしれないけど(笑)、すべて母ちゃんの指定だと葬儀社の方から聞かされて、みんなで大笑い。僕以上の芸人魂、というか、見事なエンターテインメントでした。」
「母ちゃんは、確かに延命治療を拒みました。でもこれは、「早く死にたい」と望んでいることとは違います。誰でもいつかは必ず死ぬのだから、限られた時間を自分らしく暮らす、と決めただけ。その証拠に、母ちゃんは5年前から「やっておきたいこと」をノートに書き出していたそうです」
「『なにかあった場合、うちは延命治療はせん』――。これは、母ちゃんが繰り返し僕に伝えていた言葉です。」(撮影:清水朝子)