「近づいてみようかな?」と思ったけどやめた

―『RAMPO』は江戸川乱歩生誕100周年や松竹創業100周年を銘打った大作ながら、内紛によって異なる監督の2バージョンが同時公開され、未だDVD化されていない作品ですね。邦画史上に残る珍事が当時かえって効果的な宣伝となり、興収20億円超えのヒットとなったという。

奥山 スキャンダルまみれで絶対に失敗すると思われていた中、『RAMPO』が大きな利益を出したとなると、これはやはり金融商品になるんです。それで、その映画ファンドとシネマジャパネスクを3年後にドッキングさせる予定で、それが実現したら、もうひとつ別の映画界ができていたんです。でも、業界の上層部は自分たちの椅子が危うくなるから、つぶさざるを得ないと。

叶井 あの頃だって奥山さん30代後半ですよね。すごいよなぁ。

奥山 松竹でのクーデターが粉砕されて、一緒に戦える人間を探していたちょうどその頃に、『アメリ』で女子に群がられていた叶井俊太郎を見たわけですね。

叶井 なるほど。

奥山 女性からの求心力も抜群な叶井を抱き込めば戦力になるかもしれないと考えて、「近づいてみようかな?」と思ったけどやめた。

叶井 はは、やめたんですか。

奥山 話す以前に、遠くから見ていて、なんというか……こいつ頭の中どうなっているのか分からんと。天然の魅力はある程度こっちの体制ができたあとで、スポットで来てもらうほうがいいだろうと思って。

叶井 ひどい話だ。