「自分より上」の相手は減っていく

実は私も独身時代、恥ずかしながら結婚式の3か月前に「ドタキャン」した過去があります。婚約者が私に黙って仕事を辞めていたことが分かり、「信頼できない」と感じたからです。

いまも若い未婚女性に取材する機会が多いので、彼女たちが強い将来不安から、結婚相手の男性に「堂々として欲しい」「安定した年収(稼ぎ)を」と望む気持ちは分かります。

ただ、だからといって「いまの(未婚時代の)生活水準を落としたくない」からと、令和のいまも上昇婚志向を捨てず、昭和の視点で相手を探すようでは、結婚に至りにくいはずです。

なぜなら、若い女性では近年、正規割合が増え、平均年収も少しずつ男性に近づいており、年収が「自分より上」の男性は今後、減っていくからです。

内閣府が、結婚意向のある未婚男女に「今、結婚していない理由」を聞いた調査でも、20~30代女性の回答で圧倒的1位は、「適当な相手に巡り会わない」(49.9%)でした(’19年同「少子化社会対策に関する意識調査」)。

ですが、少々厳しい言い方をすれば、男性に「自分より上」の経済力のほか、家事・育児力も、見た目力も、そのうえ「恋愛力」までをも求めているようでは、思うような相手に巡り合えなくても当然ではないでしょうか。