厚生労働省の令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」によると、1回30分以上の運動を週2回以上、それを1年以上続けている人は男性で 33.4%、女性で25.1%に過ぎないとされ、現代におけるテクノロジーの発達などが「運動」の機会を減らしていると言えそうです。一方で、スポーツドクターの二重作拓也さんは、運動は<生きる>に向かう大切な行為だと述べています。その二重作さんいわく「パフォーマンス向上には“できた”時の記憶を蓄積することが大事」だそうで――。
脳は勝手に計算する
「いまからシュート練習連続70本!」
「コンクールの課題曲を今から10回やります」
そこから練習やリハーサルを始めてしまうと「70本シュートが打てるように」「10回歌えるように」と脳は勝手に運動強度を計算してしまいます。
これが70本、10回をやること自体が目的ならば全く問題ないわけですが、パフォーマンス向上が目的の場合、「数をこなそう」とすると、「いい感じ」と「いまいち」が混在した上、修正が行われないまま進んでしまいますから、脳のネットワークが「いまいち」も記憶し続けてしまうことになります。