「神出鬼没コンサート」
タキ そう。あのとき、「神出鬼没コンサート」というのをやってたのよね。
まさし 1981年の映画『長江』の大赤字をなんとかして返さなくちゃいけないっていうんで、2日に1ステージくらいずつ、ありとあらゆるとこ、もう全国津々浦々回りました。
タキ 2日に1回歌ってた頃よね。神出鬼没と称して僕は行きますと言って、ギターを手に、家まで来てくださって冷蔵庫の前で歌って(笑)。
まさし いやいや、でも、そんなことは関係ないんですよね。やっぱりシヅエ先生は宇宙ですから(笑)。加藤シヅエという宇宙と向かい合えるだけで感動というか安心感。
僕はおばあちゃん子だったんで、おばあちゃんが好きなんですよ。それは今でもなんだけど。だから、そういうおばあちゃん……おばあちゃんじゃないんだけどね。
本当はお母さんの立場なんだけど、ああ、この方のために歌えるというのはすごく幸せだなと思って。でも、シヅエ先生新聞に書いてましたよ。「詞はいいけど、歌はまだまだ」って。
タキ (笑)母は「あの若者が」とまさし君のことをいつも言っていたわ。
まさし そう、若者だったんです、僕。