タキ姐とヘプバーン
まさし 本当勉強しなきゃいけないんですよね。それで、ヘプバーンに話を戻しますが、彼女がなんかタキ姐と気が合ったというのはわかるね。
タキ でも、ふと、加藤タキってどうしてオードリーさんに信頼されたんだろう、と思うときはある。彼女のエージェントであるカート・フリングス氏は当時、エリザベス・テイラー、リチャード・バートン、マーロン・ブランドを請け負っていた強者で、まず彼を説得し交渉が成立したことで信頼されていたというベースがあったにせよね。
まさし 加藤タキだからだね。
タキ どうなんだろう。いつも、女優ではなく、ひとりの人間としてのオードリー・ヘプバーンに真心を込めて、正対で向き合っていたというのはあるけれど。この人だからあの人だからと関係なく。
まさし そこがタキ姐の筋が通っているところ。
※本稿は、『さだまさしが聞きたかった、「人生の達人」タキ姐のすべて』(講談社)の一部を再編集したものです。
『さだまさしが聞きたかった、「人生の達人」タキ姐のすべて』(著:加藤タキ・さだまさし/講談社)
さだまさしが、長年敬愛してやまない「タキ姐」こと加藤タキに、聞いてみたかったことをすべて聞いてみた。
日本を代表する社会運動家・女性初の代議士として活躍した母・シヅエの娘として生まれ、世界的な大物アーティストたちと個人的親交を結び、さらに78歳のいまも、淡々と飄々と、そして凛として生きる。そんな彼女が伝えるとらわれず自由に生きるヒント。