息子の友人・ジェイク
そんなある日、子供が初めて学校で仲良くなったという友人を家に連れてきた。長身でシャイだがとても礼儀正しいその青年の名前はジェイクといった。息子と同じくカメラに興味があって意気投合したのだという。
それまで勉強漬けだった息子もジェイクと出会ったことでやっと開放的になり、ふたりはよく一緒に過ごすようになった。
生まれつき身体が弱く学校も休みがちだったジェイクも、なかなか積極的に友達を作ろうとするタイプではなかったらしく、父兄会で会った彼の母親は優しげな表情で「やっと気の合うお友達ができて嬉しい」と微笑んでいた。
お互い理系で工学部を目指していたふたりは、学校の授業で小さな木造の橋のモデルを作るのにペアを組み、それぞれの家を行き来しながら課題を完成させたこともある。
高得点はもらえなかったそうだが、失敗しては悔しがったり笑ったりしながら何度も木製の小さな橋を作り直していたふたりの姿を、私は安堵しながら眺めていたものだった。