近代文明が行っている加害への意識

2022年春、一般社団法人メタバース推進協議会が設立され、代表理事になった。

技術というのは使いようです。メタバースの世界では、どんな場所にも、違う時代にだって行ける。近年、世界の環境が変化し、保全地区でも虫が激減しているでしょう。

『なるようになる。――僕はこんなふうに生きてきた』(著:養老 孟司/中央公論新社)

それで虫が多いラオスの自然をメタバースで立体映像化し、将来その自然を体感できるようにしたら、と思っているんです。

鎌倉の建長寺に15年、虫塚をつくり、毎年6月4日(虫の日)に供養するのも、虫にありがとうの思いを伝え、人々に環境について考えてもらいたかったからです。

あの寺には花塚、茶筅(ちゃせん)塚もある。欧米の一神教の国と違い、多神教の日本ではあらゆるものに魂は宿ると信じられてきた。虫を採り、花をいけるのはある種の加害で、塚には弔いの思いも込められています。

でも、近代文明がおびただしい数の虫や生き物を殺してきたことへの加害意識を、現代の人はどのくらい持っているでしょうか。