日常生活は壊れやすいものである
日本は農薬の使用量が世界でもトップクラスなのを知っていますか。要するに、たくさんの虫が農薬で死んでいる。1台の車が廃車になるまでに1000万単位の虫が死ぬというデータもあります。
夜の高速道路を走っていると、フロントガラスに虫が当たってつぶれるでしょう。あれで多くの虫が死ぬんです。
世界の森林が年間500万ヘクタール減っていることも、虫にとっては大変です。日本全体の森林面積が2500万ヘクタールですから、日本が5年間で裸になるくらいのスピードで森林が減り、そこで生きる虫たちは住処を失っている。
「森に入って虫を採るな」って言う人もいますが、そういう人は、虫の住む場所を人類が奪っていることにどのくらい気づいているでしょう。
加害するほうにその意識がないことがいちばんの問題です。
今のままの人間中心の日常がつづくと、多くの生き物の日常は維持できない。そのことに、ちゃんと気づくことが大切です。
コロナ禍になり、ウクライナ戦争が起き、私たちは日常の壊れやすさを目の当たりにしている。そうなると人は、日常のありがたみをかみしめます。