モロッコで出会った青年

昔、モロッコを旅したときに、砂漠にテントを張って、ひとりで骨董品を売っている青年がいました。

まわりにだれもお客さんがいない砂漠で、テントがハタハタッて風に揺れてて。

「こんなところで、ひとりぼっちで、あんな仕事をしていて、寂しくないんでしょうか?」って、ガイドのおじさんに聞いたの。

そうしたら、「大丈夫です。彼は神様とお話ししてるから、寂しくありません」って、あっさりと。

ああそうなんだと思って彼の顔を見たら、本当に満ちたりたとても美しい表情をしていたわ。

神様とお話しするっていうと大げさかもしれないけれど、昔からおばあさんは、ひとりごとをいったりするじゃない?

「あらま。びっくり。どうしましょう」とかね。

それを「神様」に話していると思えばいいのかもね。

どこかで見ててくれると思ったりして。

何々教とかに関係なく、「神様よろしく」みたいな。

そうしたら、ストレスもずいぶん軽くなるんじゃないかしら。

※本稿は、『86歳の健康暮らし ─ だれにも言っていないひみつの健康法』(興陽館)の一部を再編集したものです。


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