コロナ禍の3年間で、日本人は”ある場所”の老化がかなり進んだそうでーー(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が2022年に行った調査によると、歯周病ともいわれる4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は、高齢になればなるほど増加していたようです。そのようななか「老化は口の中から始まる」と語るのは栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原毅先生と歯科医師の栗原丈徳先生。さらにお二人は、「コロナ禍の3年間で、日本人は口から老化がかなり進んでいる」と言っていて――。

「口から老化」とマスク生活

全身の老化よりも早く、口(口腔(こうくう)機能)の老化が始まることは事実であり、学術的な根拠もあります。

そこで私たちは、口から先に老いる現象のことを「口から老化」と呼ぶことにしました。

コロナ禍の3年間で、日本人は口から老化がかなり進んでいると考えられます。そのもっとも大きな要因がマスク生活です。

マスク生活を続けると、口まわりの筋肉が衰える可能性がありますが、そのリスクは今後も続く可能性があります。

厚生労働省(以下、厚労省)は、23年3月13 日から、マスクの着用については「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断が基本」としました(ただし「感染拡大防止対策として、マスクの着用が効果的である場面などについては、マスクの着用を推奨」するとしている)。

しかし、コロナが2類から5類になったといっても、感染する人がいなくなったわけではありません。

とくに重症化リスクが高いといわれる人たちは、外してもよいといわれても、簡単には外せないという気持ちはわかります。

ただマスク生活を続けていると、口から老化を進めたり、体の不調の原因になったりすることは知っておいてよいと思います。