健康診断の結果を見て、体重が増えたのは年齢を重ねて代謝が落ちたから…と思っている方もいるようですが、神戸大学大学院保健学研究科准教授の山田陽介先生は「少なくとも60歳くらいまでは、若い頃(例えば20代)と比べて代謝の差はほとんどないということがわかっています」と話します。その山田先生いわく「男性の中年太りの多くが40歳前後から始まるのに対して、女性の中年太りは50歳前後から始まる」そうで――。
なぜ中年男性はお腹が出る?
男性の中年太りの特徴というと、お腹が出てくることでしょう。見た目が気になるのも、このポッコリとしたお腹です。
1日10キロカロリーオーバーでも、20年後には10kgの体重増になり、20キロカロリーオーバーなら、10年で10kg増になります。増えた体重は、皮下脂肪に加え、内臓脂肪の重さです。
内臓脂肪は、飢餓状態に直面したときのためにたくわえるエネルギー源です。大昔の人類は、現代のようにいつでも食事が摂れる状況にはなかったので、エネルギーを脂肪にしてたくわえておくシステムが必要でした。
たくわえられた内臓脂肪は、飢餓のときに燃やしてエネルギーにすることができます。しかし、現代はいつでも食べられるので、消費できなかったエネルギーは増えていくばかりです。それが男性の場合は、ポッコリと出たお腹となっていくわけです。
これに対して、女性はもともと女性ホルモンの働きにより、内臓脂肪ではなく、皮下脂肪として蓄積されやすいのです。
中年太りというと、お腹がポッコリと出た肥満を想像しがちですが、男性のほうがこの状態になりやすいわけです。
しかし、女性も中年太りをしないわけではありません。男性の中年太りの多くが40歳前後から始まるのに対して、女性の中年太りは、50歳前後から始まります。