走り書きのメモに「ざまあみろ」の文字が
酔っぱらって失敗したこともありました。2013年に『今ひとたびの修羅』という舞台で宮沢りえちゃんと一緒になったんですが、稽古が始まって3日くらいたった頃かな、出演者の堤(真一)くんをはじめ、皆で飲む機会があったんです。
いいかげん酔いも回ってきた頃、彼女のモノローグのシーンについて、勢いで「ギリシャ悲劇みたいなセリフ言ってんじゃねえよ!」って言ったら急にポロポロッと泣き出してね。よほど悔しかったんでしょう、怒って飲み屋から帰っちゃったんです。
翌日、「ちょっと言い過ぎたな」と思いながら稽古場に行ったら、飲み会で大声で喋っていたのがいけなかったのか、全然声が出ない。するとりえちゃんが走り書きのメモと一緒に飴を持って来てくれて、見たら「ざまあみろ」と書いてありました(笑)。かわいい子でしょう? だけど楽日の一週間ほど前にフラッと楽屋に来て、「あのとき風間さんに言われたこと、今すごく役に立ってる」って言ってくれてね。そういうふうに受け取ってくれる子もいるんだなあって嬉しかったです。
りえちゃんとは2021年の舞台『泥人魚』で、久しぶりにご一緒しました。なんて言うんだろう、その時はもう完全に年寄りを見る目で僕を見てましたね(笑)。楽屋でりえちゃんが筋肉をブルブルほぐすマッサージ機を使っていたので、「りえちゃん、それいいね」と言ったら、同じものを買って来てくれました。優しい子です。
『大誘拐』~四人で大スペクタクル~
刑務所の雑居房で知り合った戸並健次(中山優馬)らは、出所するや誘拐の下調べにかかる。狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主・とし子(白石加代子)。健次率いる若者グループにとし子が誘拐され、彼女を生涯最大の恩人と敬う凄腕警察本部長、井狩大五郎(風間杜夫)が捜査に乗り出す。一方、誘拐犯が要求しようとしていた身代金が五千万と知ったとし子は激昂。「百億にしろ」と言い放ち、3人を従えて自ら身代金強奪の指揮をとり始める。柳川家の家政婦として仕えていたとし子を慕うくーちゃん(柴田理恵)宅をアジトに、前代未聞の大誘拐劇が始まった! 果たして、とし子の本当の狙いとはいったい何なのか!?
原作:『大誘拐』天藤真(創元推理文庫刊)
上演台本・演出:笹部博司
ステージング:小野寺修二
出演:中山優馬、柴田理恵、風間杜夫、白石加代子
日程・劇場:
<東京公演>
2024 年2月6日(火)~2月11日(日)
シアター1010(東京都⾜⽴区千住392北千住駅⻄⼝ マルイ11 階)
チケット︓全席指定 8,800 円(税込)
2月14日以降、全国ツアー予定。詳細は公式サイトにて