「(時間もお金も)無駄は省いて、好きなことにたっぷり使いたいんです」(撮影:田原由紀子)
漫才師でありながら、仏教マニアとしても知られるお笑いコンビ・笑い飯の哲夫さん。それにとどまらず、現在は《六足のわらじ》を履いて生活しているといいます。一風変わった働き方をのぞいてみると、独自のお金の使い方も見えてきて――(構成=野田敦子 撮影=田原由紀子)

<前編よりつづく

借金に学んだお金の使い方

こんなこと言うと、お金に執着しない無欲で立派な人みたいですね。いやいや、まったくそんなことはありません! 僕、お金大好きですもん。

節約もしますよ。ラーメン屋に行ったら、僕は一番安いラーメンしか頼みません。チャーシューや卵のトッピングなんて、もってのほか。「そんなんしたら、スープの味変わるやん!」と、冷ややかな目で周りの人を見ています(笑)。

ガソリンや鉄道の切符も最安値のチケットショップを探してますね。自分が買った店より高い店を見かけると、心の中でガッツポーズ。毎日ゲーム感覚です。

でも、そんなふうに節約するくせに、欲しい車には大枚はたいたり、後輩100人連れて花見をしたり、好きなことにはパーッと使う。もしかしたら、僕の時間の使い方とお金の使い方は似ているかもしれません。どちらも無駄は省いて、好きなことにたっぷり使いたいんです。

時間で言うと、駅のホームに着いた瞬間に電車のドアが開き、一歩も止まることなくスッと乗れる感じ。ホームで待っている時間があれば別の場所でほかのことができるし、スキマ時間を埋めた分、夜にお酒を飲みながらダラダラできる(笑)。

お金も同じで、無為に使わず、好きなことにドンと使いたい。そんな生き方に本人はいたって満足なんですが、母親からは「あんたはほんまいつも、せかせかしてるな。ちょっとゆっくりしたらどうや」とよう言われます。(笑)