ライフステージが変わると疎遠になる

どうしたって、この社会では、恋愛、結婚、出産がワンセット。すべて直線上にあって、そのコースには乗れないという人はマイノリティ。訳アリ扱いをされたりする。

もちろん、「結婚はしても子どもは欲しくない」「恋愛はするけど結婚はしたくない」という人も、今の時代、「まぁそういう価値観もあるよね」とは思われるかもしれないが、暗黙の了解で「(あくまで)普通は”そういうもの”(恋愛、結婚、出産と進む)」だと思われていて、そのラインに乗れない場合は、出会いの場などで説明し、相手を説得したり、周囲に納得してもらったりする必要が出てきてしまうのだろうと思う。

『死にそうだけど生きてます』(著:ヒオカ/CCCメディアハウス)

高校からの仲良し5人組で作ったLINEグループは、気が付けば既婚者が3人(うち子持ちひとり)となり、私以外のひとりも婚活中だ。20代前半までは、高校時代と変わらないテンションで馬鹿を言い合って、長期休みのときは何を言わずとも集まるし、会わない時も、グループのトークでどうでもいいことで盛り上がった。

でも、結婚した子とは、なんとなく距離ができていった。長期休みも、「夫の実家に行くから」と言われ、会わなかった。子どもができた子はとても忙しく、起きている時間帯も違うので、LINEや電話もしなくなっていく。

「特に女性は、ライフステージが変わると疎遠になるもの」とは聞いていたけれど、自分たちはそうならない、と思っていた。「結婚しても仲良くしてよ?」「当たり前!でも、お前結婚できるの(笑)」そんな話をしていた頃が懐かしい。どんな口約束も虚しく、人生のリズムの違いが、無情にも人間関係の温度感の違いを生んでいく。

既婚子持ちの姉の家にたまに遊びに行く。姪っ子は最高に可愛く、義兄(姉の夫)はとてもいい人で、姉夫婦にはよくしてもらってばかりだ。それでも、やはり家族のかたちや空気感が出来上がっていて、どうしたって「私はゲスト」。

そう感じて、すこし落ち込むことがある(そりゃあ過ごしている時間がまるで違うのだから、当たり前過ぎるくらい当たり前のことだが)。