男子学生からも反響

ヒロインは、笑美子と路実の2人。共におひつじ座の生まれですが対照的な性格で、共に引かれ合いながら、それぞれ、辛い恋に苦しみます。

愛は思いやりなのか、それとも、ぶつかり合いなのか。そんな議論をはじめ、同性愛や、既婚者との恋、複数の人を同時に愛することなど、さまざまな愛のあり方について、10代が悩み、傷つき、語り合うマンガです。

『漫画を描くー凛としたヒロインは美しい』(著:里中満智子/中央公論新社)

男子学生からも反響があって嬉しかったですね。姉や妹、ガールフレンドが読んでいるのを見て知ったようです。

中でも、男子からどっと手紙がきたのは「男のことばなんか信用しちゃいけない」「男にとって行動が第二 ことばは第三の価値しかない」と、ある少年がヒロインに告げる場面について。

【原画】男子からたくさんの反響が寄せられたシーン(『アリエスの乙女たち』より)(写真:『漫画を描くー凛としたヒロインは美しい』より)

「第一の価値は何ですか?」という質問が、あちこちからきました。

はて、困った。実はこのセリフを書いた物語の序盤で「男にとっての第一の価値」について、私が考えていたわけではありません。

ただ「言葉より、行動より、決め手となるものはある。それが何か描きながら考えよう」と思っていました。

思案の末、後に、その答えのようなものを提示しました。

「男にとっての第一の価値」を描いたシーン(『アリエスの乙女たち』より)(写真:『漫画を描くー凛としたヒロインは美しい』より)