重要な臓器「肝臓」
その重要な臓器とは「肝臓」です。
内臓脂肪が多くなると、脂肪を蓄える機能を持つ脂肪細胞がパンパンに膨れます。この異常に膨れた状態になった脂肪細胞から、炎症性(えんしょうせい)物質が放出されるようになるため、体の組織に炎症が起こります。
そのため、肝臓の細胞に内臓脂肪が蓄積(ちくせき)する「脂肪肝」になってしまうと、肝臓が常に炎症を起こした状態になってしまうのです。
肝臓が炎症を起こした状態だと、私たちの健康を保つための、次のような主な4つの働きが十分に果たせなくなってしまいます。
1.代謝(食事で摂った栄養を、体内の各器官に必要な形に変える)
2.エネルギーの貯蔵(体に必要なエネルギー源であるブドウ糖などを貯蔵する)
3.解毒(げどく)(アルコール、食品添加物、アンモニアなど有害物質を分解して無毒化する)
4.胆汁の生成(脂質の消化吸収を助ける、肝臓で処理された不要物を排泄する、血液のコレステロール濃度を調整してくれる働きのある胆汁を作りだす)
さらに肝臓の炎症が進行することで、脂肪性肝炎(しぼうせいかんえん)、肝硬変(かんこうへん)、肝臓がんなど深刻な肝臓の病気にもつながります。
また、脂肪肝になることで、肝臓に蓄積された中性脂肪が全身をめぐる血管にも流れ出てしまい、血管を狭めて詰まらせやすくします。
その結果、果ては心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)までも発症するリスクが高まってしまうのです。