小林先生「どうして自分が評価されないんだ、と思う時点で自律神経は乱れまくっている」(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が2023年に発表した「労働安全衛生調査」によると、過去1年間にメンタルヘルス不調により1ヵ月以上休業した労働者の割合は、1,000人以上の事業所規模で1%だそう。自律神経が乱れていると「なんとなく気分がすぐれない」と感じるようになると話すのは、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。さらに小林先生、「どうして自分が評価されないんだ、と思う時点で自律神経は乱れまくっている」とも言っていて――。

「評価されること」を目指さない

誰だって「人に評価されたい」と思います。仕事をしていれば、上司や同僚、お客様や取引先に評価されることも大事でしょう。

しかし、組織で生きていれば、思うような評価を得られないこともあります。自分の仕事の質が低くて評価されないのは仕方ありませんが、相応の仕事をしているのに評価されない。

それどころか、自分より質の悪い仕事しかしていない別の誰かが評価される。組織の中で、誰もが経験することではないでしょうか。

そんなとき「どうしてあいつが評価されて、自分が評価されないんだ!」といいたくなりますが、この時点で自律神経は乱れまくっています。

納得がいかない気持ちはよくわかります。組織である以上、どんな世界も理不尽なことだらけです。

組織や社会とはそういうものです。実力や実績がそのままフェアに評価されるのではなく、そのときどきの流れによって決まるもの。

それは歴史が証明していて、たとえば源義経や武田信玄、黒田官兵衛がどんなに実力があり、実績があろうと流れがよくなければ望む結果は得られず、命さえも奪われることがあります。