「僕は《叔父バカ》で、もう可愛くって可愛くって仕方ないので、稽古の時も二人をほとんど叱れない(笑)」(七之助さん)

持ち味が違う二人の息子たち

七之助 勘太郎はもう13歳になったんだっけ。

勘九郎 2月22日で13歳。長三郎は10歳になった。父は勘太郎が1歳の時に亡くなったから、二人とも生前の父を知りません。でも、父の映像は、初舞台の時から残っています。二人は笑いながらずーっと見ている。

七之助 僕は《叔父バカ》で、もう可愛くって可愛くって仕方ないので、稽古の時も二人をほとんど叱れない(笑)。厳しいことは兄に任せて、ひたすら、じ~っと見守っている感じです。

勘九郎 2月の歌舞伎座公演で、勘太郎は『猿若江戸(さるわかえど)の初櫓(はつやぐら)』で初主演をつとめますが、今までより台詞量も多い。

七之助 長三郎は初めて『連獅子』に挑戦するね。

勘九郎 そう。稽古の時には、二人とも本当に一日、一日、集中していた。前日に言われたことを自分なりに分解して、翌日の稽古で出してきているのを見ると、いい姿勢だなと思います。厳しい稽古の時もあるけれど、二人とも楽しむ心を失わないのは見ていてわかるし。

七之助 勘太郎は普段から9割は、歌舞伎のことを考えている。小さい頃の映像を見ると、物心つかないうちから見得を切るなど、僕たちを驚かせるような歌舞伎小僧。歴史も好きで、父の生まれ変わりじゃないか、という感じがする。