小倉さんの生命力はすごい

──実際にその体験をした時は、かなり危ない状態だったんですよね。

先生も“正直言ってダメかもしれない”と思って、かみさんにもそう伝えたらしいんですね。それでも病院をあげてバックアップしてくださったそうです。

もとはといえば膀胱がんだから泌尿器科なんですが、肺に転移したからそちらの専門の先生や、また腎臓の先生、糖尿病の関係もあるのでそちらの先生、さらには全身に湿疹ができたから皮膚の先生という感じで、みんなで集まって話し合ってくださったと聞きました。

あとで先生が、「小倉さんは本当に強い。すごいよ、小倉さんの生命力」って言ってくださいました。

最近になってかみさんが教えてくれたのは、実は先生には「回復しても80%までというつもりでいてください」と言われていたんですって。全快は難しい、と。

 

※本稿は、『本音』(新潮社)の一部を再編集したものです


本音』(著:小倉智昭、古市憲寿/新潮社)

「小倉智昭」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか? 舌鋒の鋭さ、ふてぶてしさ? でも、その実人生はアップダウンの連続です。吃音(きつおん)だった少年時代、局アナからフリーに転じた後の貧乏暮らし、22年にも及んだ「とくダネ!」MC、がん闘病……そんな「まさか」の人生を、「とくダネ!」コメンテイターで年の離れた友人・古市憲寿さんを聞き手に振り返ります。驚きのエピソード、イメージとは違う意外な面が続々!