一条校

戦後になって学制がガラリと変わり、旧制大学は同じく旧制の高等学校や専門学校、師範学校などとともに新制大学となったが、旧制中学校や高等女学校はおおむね新制高校に受け継がれた。

私の亡き父も名古屋の旧制明倫中学校に入って新制明和高等学校を卒業したのだが、旧制第一高等女学校も一緒になったので、教室で女子と一緒になるなんて、と戸惑った(けど嬉しかった)という話をしていたものである。

地形図でも「昭和30年図式」までは文の記号に(高)を添えて表示していたが、「昭和40年図式」で高等学校の記号が誕生した。「文」マークは小中学校なので、それを○で囲んだ記号が高校である。少し年上の感じが出ているだろうか。

さて、これまで「学校の記号」と大雑把に述べてきたが、記号の対象は厳密で、「平成25年図式」によれば、「学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(いわゆる「一条校」)のうち小学校、中学校、義務教育学校、高等学校及び中等教育学校については、記号を表示する」としており、それ以外は「学校」と名乗っていても記号は付かない。

簿記学校や自動車学校などはもちろんだが、外国系の学校も同様で、たとえば朝鮮中高級学校や中華学校(中国系・台湾系)は表記されていない。

ただし韓国系の学校の一部は「一条校」であるため、その場合は小中学校と高校の記号が置かれている。

※本稿は、『地図記号のひみつ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


地図記号のひみつ』(著:今尾恵介/中央公論新社)

学校で習って、誰もが親しんでいる地図記号。地図記号からは、明治から令和に至る日本社会の変貌が読み取れるのだ。中学生の頃から地形図に親しんできた地図研究家が、地図記号の奥深い世界を紹介する。