千代田区番町の庶民派イタリアン「ちいさなしょくどう チケッティ」。人気はシェフの自信作「ボロネーゼ」だが、追加メニューのマグロのカルパッチョがまたすごかった…

ホリデーランチのBコースは、好みのパスタに生ハムサラダと前菜3種、ドルチェ、カフェ付きで2900円。手前の「イタリア伝統“ボロネーゼ”」はプラス1100円。和牛にポルチーニも合わせ、旨みを深めている。奥は生ハムサラダと、真蛸のマリネなど前菜3種の盛り合わせ

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厳選された食材とワインをカジュアルに愉しむ

古くは、与謝野晶子や島崎藤村ら多くの文人が居を構えた番町界隈。その一隅で見つけた庶民派イタリアン、それがここ「ちいさなしょくどう チケッティ」だ。

「うちは、地域密着型。お子様連れも大歓迎」との嬉しい一言は石田大輔シェフ。休日は家族連れも少なくないそうで、見逃せないのはランチ。夜はアラカルトのみながら、休日ならパスタをメインにしたコースを気軽に楽しめる。

常時8種が揃うパスタの中でも、一番人気は「ボロネーゼ」。イタリア各地で7年半研鑽を積んだ石田シェフの自信作だ。

「イタリア伝統」と銘打つように、ボローニャスタイルを踏襲しながらも、ここでは和牛を100％使用。旨みと風味を生かすよう、あえてシンプルに仕上げている。

また、追加メニューになるものの、ぜひ味わいたいのがマグロのカルパッチョ。一流鮨店がこぞって仕入れるカリスマ鮪仲卸「やま幸」のマグロをイタリアの魚醤で味つけした逸品だ。

ねっとりしたマグロの旨みと魚醤の熟れた塩味がしっとりと馴染み、リピーターが多いというのも頷ける美味しさだ。

「豊洲“やま幸”の生本マグロ」1600円。天然本マグロの頭肉の筋のないところを使っているそうで、この日は八戸産。「シチリアでもマグロを生で食べるんですよ」と、シチリアでの修業経験もある石田シェフ。イタリアの魚醤・コラトゥーラとオリーブ油で余韻豊かに仕上げている