画期的な治療薬が登場
また、耳が遠くなる、視力が落ちるのも、脳の衰えを加速させる要因になります。
「人とのコミュニケーションが面倒になったり、手先を使う趣味や作業を避けるようになったりすると、いずれも脳への刺激が減少し、脳の萎縮につながるのです」
不治の病といわれていた認知症ですが、実は最近、画期的な治療薬が登場しました。最も患者数が多いアルツハイマー型認知症の治療薬として、2023年12月に「レカネマブ」が保険適用となり、投与が始まっています。
「アルツハイマー型の原因とされるアミロイドβというタンパク質を除去する画期的な薬です。ただし、対象者はMCIから認知症の初期と極めて限定的で、価格も安くないなど、普及には課題が残されています。認知症の予防にはすでに科学的に効果が確認されている方法がありますから、現時点では薬に期待しすぎず、日々の生活でできる対策をとりましょう」