時間の概念からも解放されて

しかもその時気が付いたのだが監督はお風呂が長い。

例えば入るときに8時に出ようと言って入ると
私の方はいつもみたいにのんびりしないでちゃっちゃと洗ってあったまったら
出て髪乾かしてお手入れして身支度してジャスト8時!
という感じで飛び出すのだが監督の姿はそこに無い(泣くところ)。

湯上がりで道端に立っているのはなんとなく心許ないもので
いつもより長く感じてしまうのかもしれないがそれにしたって遅い。
10分20分と待つ間に

「こんなに長くお風呂で一体何をやってるんだろう。
監督、お風呂嫌いなのかと思ってたけど…
これって逆に好きなんじゃないの?」

そのような疑念がむくむくと湧いて来ていた。

一般的には女性の方が時間がかかるため温泉などでも出口にある待合所では
浴衣の男性が手持ち無沙汰で待っている様子を見かけたりするものだが
うちはまたしても逆。

私自身は時間に余裕があって誰にも気兼ねのない状態なら長風呂を楽しむけど
誰かと約束していたり混んでいたりすると時短モードで入る。
銭湯で、出る時間を約束している場合はそれにあたるので残り時間を見ながら
ちょうどに仕上がるように入る。
この場合そこまで深いリラックスには至らないままとりあえず洗ってとりあえず温まって出てしまう。

一方監督は…想像ではあるが
お風呂の世界に解き放たれた瞬間から時間の概念からも解放されて
自分の気持ちの赴くままにのんびりゆっくりあったまる。
たまにしか入らないのですごい丁寧に体を洗う。
その後またゆっくりあったまる…

というようなことをやっているのではないかと思う。
芯からお風呂を楽しむことにかけてはどちらが良いかは明白である。