覚えておきたいこと
肉類では、牛肉、豚肉の場合は飽和脂肪酸の割合が40~50%程度(残りの50~60%が不飽和脂肪酸)と多めです。鶏肉なら飽和脂肪酸の割合が30%程度と牛、豚よりやや少なめになります。
ですので血管系の状態改善を考えた場合、同じ肉を摂るなら「脂肪酸組成的には牛や豚より鶏がよい」ということになります。
そして揚げ物などによく使われる植物油の組成を見ると、飽和脂肪酸の割合は5~15%程度とかなり低くなります(例外:ヤシ油は90%程度と高い)。
飽和脂肪酸が少ないという点ではよいのですが、摂りすぎを控えるべきn-6系の多価不飽和脂肪酸がやや多いという特徴があります。
ただしオリーブオイルならn-6系が少ないので、オリーブオイルで揚げ物をつくるというのは一つの健康調理法といえるでしょう。俳優の速水もこみちさんも、youtubeなどで料理する際によくオリーブオイルを活用されていますよね。試してみてはいかがでしょうか。
魚の場合、魚種によりますが、飽和脂肪酸は20~30%程度と肉類よりはおおむね低めです。そして特筆すべきは、魚は、前述の健康効果の高い、n-3系の多価不飽和脂肪酸が非常に豊富であること。ほかの食品ではくるみにn-3系が多く含まれます。
飽和脂肪酸(主に肉)、n -6系不飽和脂肪酸(主に調理油)は摂りすぎないよう、n -3系不飽和脂肪酸(主に魚)はある程度しっかり摂る、と覚えておきましょう。
※本稿は、『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。
『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(著;谷本道哉/中公新書ラクレ)
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