『開業医の正体』の著者、松永先生が語る勤務医と開業医の違い、医師の立場から患者に伝えたいことは――(写真提供:Photo AC)
大学病院の勤務医から転身し、小児科医として開業した松永正訓先生。長年医療の現場に携わってきた松永先生が、その実態を赤裸々に明かした『開業医の正体』が発売中です。開業した際のお金事情や患者・患者家族に思うことなど、リアルな事情が綴られる中、あらためて松永先生が語る勤務医と開業医の違い、医師の立場から患者に伝えたいことは――。

何をもって「儲かる」と考えるか

――体調面での懸念から19年間務めた大学病院を辞め、小児科の開業医へ転身されて17年。「儲かる」職業ではないのですか?

「儲かる」という言葉ですが、単に金銭的なことを言うなら収入は大きく増えました。一般に勤務医の年収は1000万円から1500万円くらいです。公立病院の部長とか、病院長とかになるともう少しいいのかもしれません。開業医の収入は、勤務医の3倍くらいと言われています。もちろん、成功した人の話ですが。

ただ税金が半端ないので、お金が目の前を通り過ぎていくという感じです。その辺りのことは本の中で詳しく述べました。それでも収入は確かに上がりましたね。でも開業医には勤務医には分からない大変さがありますので、単に「儲かった」と喜んでいるわけではありません。何をもって「儲かる」と考えるかは、その医師の人生観によると思います。