母ヂカラ

大阪に入った翌日。
思いがけず雨予報により完全にオフになったので、この日は電車に乗って全員で甲子園球場に向かうことになった。午後から行われるセンバツの試合のチケットを人数分とる作業、これを全選手スタッフの携帯に手分けして送る作業が発生した。
慣れない場所での手配には1つ1つ時間と手間がかかってしまう。
これを短時間でやってのける先輩母たち。一方で食事など他の調整作業と並行して分担するチームワークは、やはり同期の父母達ならではの結束である。

とにかく、仕事が効率的で早い!

みな普段仕事をしている人もいれば、昔働いていたけど今は子育て専念の野球母もいる。下の子達を連れてきている人もいる。一つの目的の元に集まると「仕事ができる」女性たちの底力というものを見せられる思いだ。言われたことの先のさきの、その先くらいまで仕事ができてしまうのだ。
「母のチカラだなぁ」と、その段取り力にひたすら感心するばかり。

料理をするように目の前にあるものでチャチャっと何かを作る。
よりスムーズにことが進むよう、新しい方法をどんどん取り入れていく。
そんなことがとてもとても上手なお母さん達だ。ある程度人数が揃うと気配りが細やかで、仕事も早いこと早いこと。
指示待ち後輩母はただ言われたことを受けて動くだけで、頭を働かせることはほとんどなかった。

この「母ヂカラ」。
わたしも母だけれど、今のこの日本の世の中に必要な「知恵」であり「人を支えるチカラ」だと思うのだ。

家族のために仕事を1度手放しても、家庭という新しいポジションでバリバリ仕事をこなす女性がたくさんいることを、改めて多くの人に知ってほしいとわたしは思う。