ひとり旅は何も決めずにふらりと旅する楽しさもあるけれど、目的があれば充実度はさらにアップ。自分だけの《楽しみ》《好き》を思う存分に味わう3人の旅スタイルを紹介します。今回のテーマは「食」。ひとりグルメ旅行の達人がおススメする旅先は――。(構成=大野麻里)
市場やデパ地下巡りも欠かせない《食》
ひとり旅をするようになったのは、50歳を過ぎてから。おいしいものが大好きなので、私にとって「何を食べるか」は旅の大きなテーマです。地元で愛されている食堂や、有名シェフのレストラン、旬の食材、自然派ワインなど……その土地のおいしいものを探しては、訪ねています。
ひとり旅はハードルが高いと感じる理由の1つは、「ひとりで外食すること」ではないでしょうか。「友だちがいなくて気の毒な人ね」と思われているかも? と、つい自意識過剰になってしまう(笑)。私もそうでした。いえ、実は今も苦手です。だからこそ、店選びと訪れる時間帯には気をつけています。
まず店は、ひとりでも入りやすそうな雰囲気の店構えであること。カウンター席があるとさらによし。また私は、旅先で街の下見を兼ねて朝ランニングをするのですが、その時によさそうな店を見つけることもよくあります。走らない方は、散策したり、バスに乗ったりしながら探してみるのもおもしろいのではないでしょうか。
次に訪れる時間帯ですが、私は開店時間を狙って入店します。17時頃ならまだ空いていますから、「4人席を1人で使って申し訳ない」というような気持ちにならずに済みますし、誰に気兼ねすることなく食事を楽しめる。そしてお客さんが増えてきたところで、会計を済ませてサッと帰ります。にぎやかな場でひとりは、やっぱり居心地悪いですからね。