つい先週のことだ。くそ忙しいのに外に出て人に会う用が毎日続いた。ところが出かける前に、最初の日は胃痛、次の日は頭痛、用は済ませたが、最後の日は心臓がしくしく痛くなって、いかんこれはストレスだと気がついて、その日も、その後の予定もぜんぶキャンセルした。
こういう訴え、作家あるあるだろうが、ポイントはココです。──あたしがそこまで売れっ子の作家ではないということだ。悲しい事実ですが。つまり仕事量はたいしたことない。ただ要領が悪いだけ。
認めたくはない。認めたくはないが、昔はもっとさくさくこなしていたと思う。
集中できなくなっている。昔は一日でやった仕事が、今は三日も四日もかかる。それで忙しい時期にもスピードをあげられず、時間をかけ、のんべんだらりと仕事していって、結果としてこんなに、がむしゃらの馬車馬の日々になっている。
年のせいか。いや年というほど年取ってない。むしろもっと年取っていればいいのに、中途半端に年取ってるからだめなのかもしれない。あたしは現在六十八歳。「現在、わが国では65歳以上を高齢者、そのうち65~74歳を前期高齢者、75歳以上は後期高齢者と定義している」と日本医師会が定義している。定義されちゃっちゃおしめえだなと思いながら、あたしには高齢である自覚がない。