自分の価値観を共有しておく

ただ、人生の最終段階について自分の考えをまとめるといってもどうすればいいか、わからない人もいるかもしれません。具体的にはこれから挙げるようなことを考えてみるといいでしょう。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)という言葉をご存じでしょうか? もしものときのために、自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族や信頼できる人、医療・ケアチームと話し合い、共有するプロセスのことです。

ここ数年、厚生労働省が「人生会議」という愛称で普及活動を進めているので耳にした人もいるでしょう。

(写真提供:Photo AC)

まだまだ先のことと思っていても、いつ何時、命に関わる大きな病気やケガをするかわかりません。命の危険が迫った状態になると約70%の方が、これからの医療やケアなどについて自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなったりするといわれています。

そのような状況になったときは、家族など信頼できる人が、医療・ケアチームと医療やケアについて話し合いをすることになるため、事前に自分の価値観を共有しておくことはお互いにとってとても大切です。

万が一のことがあっても、自分の希望がかなえられるように、また周りが困らないようにするためにも、自分が大切にしていることや望んでいること、どこで、どのような医療・ケアを受けたいかを自分自身で考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有してみましょう。